夏の撮影会ツアーレポート

夏の田代を思いっきり楽しむ撮影会!

2023年9月初旬。二日間に渡り、田代地域の夏の魅力を体感するアクティビティの撮影会が行われました。

<一日目:グランピング&ナイトアクティビティ>

一日目は、田代岳のふもとにある五色湖キャンプ場の夜の楽しみ方を体験。グランピング&ディナーに加え、星空の下でのピラティスやキャンプファイヤーなどのナイトアクティビティが実施されました。

非日常を味わえるグランピング空間

自然との一体感を味わいながら、贅沢な時間をゆっくりと楽しめるのがグランピングの醍醐味。広々とした五色湖キャンプ場に設置された、テントやハンモック、テーブルセットなど、洗練されたグランピングセットが非日常感を演出してくれています。

会場のいたる所に焚き火を用意してくれたのは、薪専門店「火の香」と、キャンプ場「ほの風フリーサイト」を営む工藤智也さん。

ナラ、アカシア、イタヤカエデと、焚き火台ごとにさまざまな樹種の薪を使用しており、炎の色や香り、パチパチと火花が弾ける音もそれぞれ違います。

会場の中央には大きなキャンプファイヤーもセット。みんなで炎を囲んで、特別な時間を共有します。

野遊び大好き!という鳥潟正仁さんが用意してくれたキャンピングカーに、子どもたちも夢中です!

BBQスタイルのディナーで乾杯!

ディナーのメインはBBQスタイルです。網の上には、大館市のブランド豚「大館さくら豚」のスペアリブ&ソーセージをはじめ、地元産野菜を使ったアヒージョにバゲットと、おいしいものがズラリ!

愛知の名古屋コーチン、鹿児島の薩摩地鶏と並んで「日本三大美味鶏」のひとつといわれている比内地鶏の丸焼き。提供してくれたのは、大館市内で養鶏場を営む齋藤隆雄さんです。

鶏肉は通常30~60日程度で出荷しますが、比内地鶏は出荷までに150日かけて育成するのだそうです。そのため肉にしっかりとした弾力があり、凝縮された旨味が噛めば噛むほど口の中に広がります。

大館市のふるさと納税でも大人気の「白神生ハム」が原木で登場!塩気の中にまろやかな甘みがあり、とろけるようなおいしさです。

釜めし用の小ぶりの釜でご飯を炊いて、ちょっとしたきりたんぽ作りにもチャレンジ!アツアツの炊きたてご飯でやけどしないように気を付けながら、適度に潰して(通称「はんごろし」)串に付け、形を整えていきます。

特製の味噌を付けてこんがり焼き上げると、大館市民のソウルフード「味噌たんぽ」の完成です!あきたこまちの旨味ともっちりとした食感で、お腹も心も満たされます。

他にも、産地直売所「たけのこ館」で取り扱っている、鮎やイワナ等の川魚の串焼きや焼きとうもろこしなど、地元の「おいしい」をふんだんに詰め込んだごちそう尽くしのグランピングディナー。

大館市のお隣、小坂町の「小坂七滝ワイナリー」でつくられたワインで乾杯!大自然の中で、至福のひとときを過ごしました。

星空の下でピラティス体験

お腹がいっぱいになった後は、星空の下でピラティスを体験します。

ピラティスは、背骨を動かして骨格を整えるエクササイズ。基礎代謝を上げて痩せやすい身体をつくり、自律神経を整える効果があるといわれています。

指導してくれるのは、大館市内でピラティスのレッスンを行っている「スタジオことり」の本田春菜先生。参加者たちは芝生の上に一人分ずつのマットを敷いて、春菜先生の説明を聞きながら身体を動かします。

山の澄んだ空気を胸いっぱいに吸って、リラックスしながら身体をほぐしていく参加者たち。体験後には、「軽いストレッチ運動かと思っていたけど、しっかり筋トレをした気分」「思ったよりもきつかったけど気持ち良かった!」と、笑顔で感想を言い合っていました。

春菜先生からは、「背骨の周りには神経がたくさん通っているので、朝触って温めるだけでも全然違いますよ」というお話も。興味津々の参加者たちは、体験後も春菜先生の周りに集まって、ピラティスの効果や身体の動かし方などを聞いていました。

大自然の中で極上の時間を過ごした撮影会一日目

満天の星空の下で行われた一日目の撮影会。雰囲気バツグンのグランピング空間で、それぞれ極上の時間を過ごしました。

<二日目:早口市日~ラズベリー収穫体験~e-bike体験~デイキャンプ>

撮影会二日目は、田代地域の伝統的な朝市「早口市日」と、大館市の特産品として注目されているラズベリーの収穫体験、e-bikeで山を登って河原でデイキャンプという、盛りだくさんなプログラムで行われました。

約200年の歴史をもつ朝市、早口市日を散策

集合場所は、田代地域唯一の鉄道駅である早口駅前。朝早くから向かったのは、駅前広場で毎月「9」の付く日(9日、19日、29日)に開催されている「早口市日」です。早口市日は約200年も前から行われており、地元住民を中心に親しまれている朝市です。

この日も、早い時間から家族連れや地元のおばあちゃんたちでにぎわっていました。

早口商友会の会長を務める中山広峰さんの案内のもと、早口市日を散策します。

早口市日には、野菜や魚などの食料品に加え、お惣菜、乾物、野菜・花の種、金物など、地元住民の生活を感じさせる出店者がズラリ。加えて、手作りコッペパン屋さんや自家焙煎コーヒーなど、若い世代の出店者もみられます。

金物店には、地元の農家が使う鎌やハサミなどの道具や、クマよけの鈴も。地域の人びとのリアルな生活を垣間見ることができます。

種のお店では、それぞれの種を植えるのに適した時期や、初心者にオススメの花なども教えてくれました。その道のプロのお話を聞きながら回れるのも市日の醍醐味ですね!

歩き疲れたら、休憩スペース「ねまるべ」でひと休み。市日で買った自家焙煎コーヒーと、中山さんが振舞ってくれた炭火焼きのサザエをいただきながら、たまたま訪れていた地元のお客さんとの交流を楽しみました。

甘酸っぱくておいしい!ラズベリー収穫体験

市日を満喫した後は、田代地域山田集落の「たしろラズベリー研究会」の農園へ移動して、ラズベリーの収穫体験を行いました。

実は、秋田県はラズベリーの収穫量で全国一位を誇っています。田代地域も、その一角を担う重要な産地なのです。

体験前に、収穫用のハサミの使い方や注意点、おいしいラズベリーの見分け方などを教わります。説明してくれたのは、たしろラズベリー研究会長・齋藤隆雄さんです。

早速ラズベリーの収穫に挑戦です!

今回収穫した品種は「ヘリテージ」。9月に収穫できる実で、たしろラズベリー研究会の農園ではシーズン最後の品種になります。

他にも、黒っぽい実の「ハノーバー」や、濃厚な味の「チルコチン」など、夏から秋にかけて数種類のラズベリーがこの農園で収穫されています。

先ほどハサミの使い方を教わった通り、本来は手で触れないようにしてハサミで収穫しますが、しっかり熟した食べ頃のラズベリーは手でも簡単に摘み取ることができます。

たしろラズベリー研究会の農園で育てられているラズベリーは、すべて比内地鶏の鶏糞由来の堆肥「ヒナイドリーム」を使用しており、化学農薬は不使用。安心・安全なので、摘みたてをそのままパクッと食べられます!

収穫体験後には、ラズベリーを煮詰めて作った絶品ジャムと、ラズベリーの種から作ったジュースもいただきました。

生のラズベリーはもちろん、ジャムとジュースも大好評!「今まで食べたラズベリーの中で一番おいしい!」という声も上がっていました。

山の空気を全身で感じるe-MTB体験

ラズベリー収穫体験を終えた後は、田代岳のふもとにある五色湖ロッジに移動。デイキャンプを行う上流の河原まで、e-MTBに乗って向かいます!

e-MTBとは、電動アシスト機構が付いたマウンテンバイクのこと。山道や坂道でも疲れることなく、スイスイ走ることができます。

e-MTBの乗り方を指導してくれたのは、スポーツによる地域活性化を推進している「スポーツコミッション大館」の田村哲也さん。サスペンションロックや変速の仕方など、e-MTB特有の機能や注意点を教わります。

出発前に駐車場で軽く練習した後、ヘルメットを受け取って準備運動を行います。山の中を走るため、クマよけの鈴も忘れずに装着し、いよいよ出発です!

澄んだ空気や木々の匂いを直接身体で感じながら、山道を走り抜ける気持ち良さは格別!鳥や虫たちの声を聴きながら、スイスイ駆け抜けていきます。

電動アシスト機構のおかげで、急な坂も快適な走り心地。e-MTBは、車やバイクと違って二酸化炭素を出さないので、エコの観点からも注目されています。

美しい川のほとりで極上デイキャンプ

快適なe-MTBの旅の後は、上流の河原でデイキャンプ体験です。

白神山地に属する田代岳。清冽な川のほとりで、耳触りの良いせせらぎに包まれながら、地元のおいしいものをいただきます。

曲げわっぱ風の器に入ったお弁当は、産地直売所「たけのこ館」特製、地元食材たっぷりの“産直弁当”です。

おむすびは、地元のお母さん特製の梅漬け、ホクホクの枝豆と昆布、ししとう味噌の三種類。地域のあたたかさを感じるラインナップです。

食感の良いいぶりがっこ入りのタルタルソースをかけた唐揚げに、大館名物「とんぶり」入りの卵焼き、山菜・ぜんまいの煮付け、地元産のキノコ「とんびまいたけ」の味噌漬けなど、地元の特産品をふんだんに使ったお弁当。地元出身者も、県外から来た人も、一口ごとに笑顔を浮かべて味わっていました。

天然モノの鮎の串焼き。養殖の鮎と比べて香りが高く、魚の身そのものの味がしっかりと感じられます。

田代地域の川は、天然の鮎が遡上することでも有名。夏には地域の恒例のお祭り「大鮎の里ふるさとまつり」が開催され、目玉イベント「鮎の千匹焼き」も行われています。

糖度22のとっても甘いとうもろこし「サニーショコラ」。通称「フルーツコーン」と呼ばれています。渋みやクセがなく、さらに化学農薬不使用のため、なんと生で食べることができます!

デザートは、田代産ラズベリーを使ったチーズケーキ。早口市日にも出店していた人気のコッペパンのお店、「アグリコッペ」の特製スイーツです。

甘さ控えめでさっぱりとした軽い口当たりに、ラズベリーのプチプチした食感が効いています。

お腹が満たされた後は、地元のサウナ好きの若者グループ「サウノミネン」がセッティングしてくれたテントサウナを体験します。

春のモニターツアーでも提供してくれたテントサウナ体験。今回は側に川があるので、サウナで温まった後は、水風呂代わりに川に飛び込みます!

サウナ初体験だという人も、サウノミネンの皆さんにルーティンを教わって体験すると、あっという間にアウトドアサウナのとりこに。

「“ととのう”の意味が分かった」「野外でのサウナがこんなに気持ちいいなんて!」と口々に言い合い、何度も繰り返し体験していました。

田代地域の夏を満喫した二日間

二日間に渡って開催された撮影会。地元食材をたっぷり使ったおいしいご飯と、田代地域の自然を生かした夏のアクティビティを存分に楽しみました。

次回のイベントは秋のモニターツアー。紅葉と豊饒を迎える秋の田代地域で、一体どんな体験・発見ができるのでしょうか?楽しみにお待ちくださいね!

ライター:丹波桃子