齋藤隆雄さん

田代のラズベリーを特産品に

大館市田代地域の山田集落に農園と2棟の工場を持ち、年間約200kgのラズベリーを栽培・収穫・加工している「たしろラズベリー研究会」。

会長を務める齋藤隆雄さん(64)は、山田集落の隣の田の沢集落出身。ラズベリーを大館市の特産品としてもっと有名にすることを目指して、日々奮闘しています。

自由な時間を求めて農業の道に

以前は運送会社に勤務していたという齋藤さん。当時の業務は多忙かつ重労働でした。休日はヘトヘトに疲れてしまい、地域の行事にも参加できない日々が続いていたといいます。そこで、自由な時間を得るために、農家への転職を決意。まずは、周囲の人の力を借りながら、運送業の頃から興味を持っていた比内地鶏の養鶏業をスタートしました。

徐々に比内地鶏の飼育数を増やしていく中、地域の行事で出会った人から、ラズベリーの栽培に誘われます。その後は比内地鶏の事業を続けながら、「たしろラズベリー研究会」の一員としてラズベリーの栽培を開始。予定していた卸し先の倒産など、さまざまな困難に見舞われながらも、秋田県立大学を中心に設立された「あきたキイチゴ利活用研究会」に参加し、販路を築きながらラズベリーの栽培を続けてきました。

仲間を増やしてどんどん盛り上げたい

齋藤さんの目標は、田代産ラズベリーの知名度をもっと上げて、大館市の特産品にすること。そのために、一緒にラズベリーを栽培する仲間をどんどん増やし、生産量を伸ばしていきたいと語ります。現在はたしろラズベリー研究会の第三工場も稼働準備中です。

「草取りなど大変な作業もあるものの、ラズベリーの栽培は基本的に軽作業が多いので、女性や新規就農者も手を出しやすいと思う。ぜひどんどん若い人に参入してほしい」と話す齋藤さん。目標は、ラズベリー生産量全国一位を誇る秋田県の中でも、大館市が一番だと言えるようになることです。

比内地鶏とラズベリーで地域活性へ

自身の働き方を見つめ直して、農業という道を選んだ齋藤さん。比内地鶏とラズベリーで、大館市の「食」を盛り上げるためにがんばっています。

ライター:丹波桃子